特集 中小病院サバイバル
現代中小病院論
竹川 節男
1,2,3
Setsuo TAKEGAWA
1,2,3
1医療法人社団健育会竹川病院
2医療法人社団健育会熱川温泉病院
3医療法人社団健育会西伊豆病院
pp.110-113
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900563
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
中小病院の定義
中小病院の明確な定義は現在見当たらないが,病床規模から定義するとすれば200床未満のものが当てはまることになるだろう.その根拠は,少なくとも200床以上の病院では病院管理体制の確立が必要であると考えられるからである.しかしまた,200床未満の病院でも100床未満と100床以上の病院ではその運営形態は明らかに異なる.医師一人の努力だけで病院を運営管理する病床規模は100床未満までで,それ以上となると,経営組織や管理手法の導入が必要となる.実際に民間病院の組織や人事および財務状況をみると,100床未満では全く病院経営に素人の医師であってもどうにか経営している場合が多い.
病院管理体制の確立が必要な病床規模は,数年前までは300床以上とされていたが,近年は病院業務の拡大により200床程度の病院でも病院管理体制の確立は,健全な運営に不可欠であると思う.このように病院業務が拡大する動きは,今後さらに進むことが予想され,そのような意味では,中小病院を病床規模で定義することは全く無意味なことかもしれない.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.