病院経営の新しい指標
中小病院の経営のために
西田 憲策
1
,
竹内 實
2
1北海道私的病院協会病院経営改善支援事業
2特定医療法人即仁会北広島病院
pp.1082-1084
発行日 1996年11月1日
Published Date 1996/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901970
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北海道私的病院協会では,平成6年度より厚生省が全国的に展開する医業経営改善支援事業を北海道より委託され行っている.北海道内660病院全病院を対象に各種研修会,個別経営相談などを行ってそれなりの効果が上がっている.平成7年度,8年度のアンケート調査でも具体的に経営が改善している結果となって現れている.しかし内容を分析すると中小病院(200床未満)の経営は予断を許さない現状が浮き彫りにされている.最近5年間で北海道の中小病院の約10パーセント強が,閉院もしくは有床診療所化している事実がそれを物語っている.
その中でも多くの中小公立病院—そのほとんどは町村の国保病院であるが一の経営状態は最悪で,巨額の一般会計からの繰り入れにもかかわらず大幅の赤字を計上している.地域医療を守るという存在価値と過疎地における医療提供のコストの問題はもうそろそろ根本的な論議が必要な時期かもしれない.この構造的赤字を回避するためには,医療提供の仕組みそのものの変革と広域でカバーするシステム作りが避けられない.
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