主張
地域の中の病院
S
pp.607
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901266
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地域医療という言葉がよく使われるが,その意味するところは一定でなく,使う人により様々な意味をもつようである.おそらく最大公約数的には,地域社会の人々が必要とする医療を地域の中で受けるということであろう.
病院が,果たして地域医療のどの部分を担うのかについても明確ではない.平成6年4月の診療報酬改定は,いわゆる,かかりつけ医の機能を重視したが,診療所ばかりではなく,200床未満の病院にもその機能を認めたことが大きな特徴であった.なぜ200床なのかについても明らかな説明がされていないが,おそらく我が国の医療機関の歴史的発展過程から言って,ほぼ200床までの病院の外来はいわゆるプライマリケアを担っている場合が多いということであろう.果たして,200床という病床規模がその施設の機能を規定するものかに関しては,今後の検討が必要であろう.
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