巻頭緊急企画 明日はどっちだ?「総合診療専門医」
地域という「場」の中で
朝倉 健太郎
1
1奈良・大福診療所
pp.6
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200716
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診療所に赴任した若かりし日々、「家庭医療を実践すること」こそにやりがいを感じていた。すなわち、「その人」の抱える健康問題のすべてに継続的に関わろうとし、その家族もケアすることを目指した。ともかく目の前の患者さんや家族に向き合おうと思った。そのためには、それを受け入れてくれるフィールドがなくてはならない。この絶好の場との出会いが自分を育ててくれた。さまざまな疾患、さまざまな背景、価値観や考え、そして多様な家族。一筋縄にいくわけがない……。この間奔走したことが、自分自身のあり方の基礎を形づくったのだと心から思う。今振り返ると、その思いには、やや一方的なところもあったかもしれない。家庭医療の実践を通して、自分自身の理想を追求しようと必死だったのだ。
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