NURSES' VIEW
地域での看護実践の中から
經隆 洋子
1
1堀川病院看護部
pp.145
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919466
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- 文献概要
私は一昨年まで通算7年間病棟に勤務していたが,院内一斉婦長異動により,〈居宅療養部〉という,往診医療と訪問看護を預かる,これまでの病棟医療や看護とは全く違った分野で働くことになり,既に8か月が過ぎた.居宅療養部にきて,あらためて‘看護とは何か’という問いに自分なりの答えを見いだそうと,意欲をかきたてている毎日である.
実際に居宅療養部に勤務してみると,これまでの在宅医療や訪問看護についてのとらえ方が常に一面的だったということを深く反省させられている.そして現在の医療構造のためなのか,医療や看護は,地域社会からこれまでは考えられなかったような,いろいろな要求をされ,積極的にそれらに応えていかなければならない任務があるのだ,ということをはっきり知ることができた.そして,その患者や家族の要求にほんとうに答えられる看護とは,形式や方法にこだわらず,自己の持っているあらゆる知識経験,判断,人間性を惜しみなく使いこなしてかかわっていき,看護婦ひとりひとりの努力の中から創り出していくものではないだろうかと考えるようになった.
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