現代病院長論
地域社会の中での病院のあるべき姿
藤沢 正清
1
1福井県済生会病院
pp.444-451
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901231
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私は昭和32年,金沢大学第1外科から福井県済生会病院に3か月の予定で派遣され,それ以来この病院で働いてきた.したがって,済生会病院以外は知らないし,病院経営についても専門的なことはほとんど知りません.ここでは,非常に厳しい経営状況のもとで,地域住民に慕われる病院づくりにひたすら励んできた経験談をお話します.
済生会は正式には恩賜財団済生会といい公的病院ですが,その財政基盤は脆弱で,一般の民間病院同様に運営補助もほとんどありません.ただ,院長としては幸せだったのは,自主性が発揮できたこと,だれも助けてくれないので自分ですべてやらざるを得なかったこと,もう一つは,早くから福祉に力を入れ一所懸命にやってきたことです.こういったことでようやく地域の住民に愛されるようになったと思います.
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