勤務医からの発言
救急医療の現場から
伊良部 徳次
1
Noritsugu IRABU
1
1旭中央病院救命救急センター
pp.799
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901011
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昨今の厚生省・自治省の救命救急医療にかける意気込みには,従来のお役所仕事的な対応とは異なる熱意が感じられる.「救急救命士法」を極めて短期間で成立させたことでも両省の決意の程がうかがわれる.
しかしながら,システム化されて初めて能率的な効果を発揮するのが,救急医療の特徴であることもまた事実である.今日まで,地域の救急医療は一部の医療施設の献身的なヒューマニズムに支えられてきたといっても過言ではない.一方で,社会の変容とともに医療を支えるマンパワーの思考あるいは行動形態も大きく変わりつつある.このような環境のなかで,応用医学としての救急医療について,システムと人材育成の面から真剣に議論すべき時期に来ていると考えられる.
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