研究と報告
小児病院における看護職員数と患者の看護度調査—小児総合医療施設協議会の調査結果から
小池 淳子
1
,
中野 博行
2
,
長畑 正道
1
Junko KOIKE
1
,
Hiroyuki NAKANO
2
,
Masamichi NAGAHATA
1
1静岡県立こども病院
2静岡県立こども病院循環器科
pp.792-797
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901010
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はじめに
看護管理者の業務の大きなものに,看護業務量に見合う看護要員の算定がある.看護婦の最低必要数は,一般的には健康保険法の基準看護で規定されているが,小児専門の医療施設では,特2類,特3類であっても,実態は看護業務量が膨大すぎて規定の人員で患者に満足のいく看護を提供することはできない.
看護婦の適数配置を行うためには,まず業務量を知ることが必要となる.看護婦の業務量に最も大きく作用する要因は,患者数以上に,重症者の質と比率および未熟児,新生児,乳児の比率であると思われる.業務量調査には種々の方法が用いられているが,最も簡便で一般的なものは,厚生省・日本看護協会が使用しているもので,患者の観察度と生活の自由度を尺度として重症度と比率をみる方法がある.しかしこの方法は,簡便である反面,基準が大まかで調査者の判断により区分けがかなり違ってくる場合がある.そこで,観察度の判定を,簡単で,かつより客観的にするために,患者の症状や特殊な治療状況を同時に調査してみた.患者の特殊状況と看護度の比較,看護婦数との関係などを分析したので報告する.
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