特集 新しい長期療養サービス
介護力強化病院の現状とその運用効果
新木 一弘
1
Kazuhiro ARAKI
1
1厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課
pp.563-567
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900957
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老人病院制度の経緯
「老人病院」は特例許可老人病院と特例許可外老人病院の総称として用いられている.これは,昭和58年医療法の改正により創設された制度であり,概要は老人慢性疾患患者を多く収容する病院にあっては,それにふさわしい介護職員を配置する基準を特例として認めるものであり,診療報酬上も一般病院とは別の体系になっている.
これらは,老人の慢性疾患患者を主として収容する病棟であって,老人にふさわしい人員を配置(入院患者4人当たり看護婦・准看護婦が1人以上,入院患者8人当たり介護職員が1人以上)としており,通常の医療法の標準よりも(入院患者4人当たり看護婦・准看護婦が1人以上)介護力が上回っている.また,老人慢性疾患とは,概ね65歳以上のものが罹患している疾患であって手術を要する状態や急性期を除いた慢性的な経過をとっている状態にある疾患であり,このような状態となる可能性の高い疾患としては,例えば高血圧症,糖尿病,貧血,痴呆,慢性気管支炎,慢性関節リウマチなどがあげられる.
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