特集 病院の国際化
地球環境保全と病院
茅野 丈二
1
Joji KAYANO
1
1長崎北徳洲会病院
pp.207-210
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900872
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はじめに
今日,地球を支配している種属は人類である.あらゆる大陸に住み,空と海を支配し,宇宙を探険し,巨大な建造的を作り,原子力を使って,自然界のすべてを自分のコントロール下におこうとしている.しかし,私たちは,人類の生命も生活も,この地球が快適な状態に保たれてはじめて維持できるということを忘れているのではないだろうか.
18世紀の産業革命以降,人類は石炭を利用し,産業を急速に発展させてきた.特に,20世紀に入ってからの進歩は目覚ましく,石油の利用,自動車など交通機関の発達により,100年前には予想もできなかった生産の増大を実現し大量のエネルギーを消費するようになった.その結果,世界の人口は急速に増加し,自然環境は著しく破壊され,人類は未曽有の危機に直面している.こうした地球環境の破壊が今後も続けられていくと,近い将来人類は滅亡するかもしれないであろう.
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