特集 地域環境保全と健康
地域環境保全と健康
小野寺 伸夫
1
Nobuo ONODERA
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.510-512
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207741
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人間は自然の一員である.同時に社会を構成している一員である.しかし,人類は時には科学技術の進歩によって自然を凌駕し得るという錯覚を抱いたこともあった.「自然を征服する」という考え方は思い上がりであり,自然との調和と良き触れ合いある社会が人間の健康生活の基本であると意識し始めた.
20世紀後半の歴史は,第二次産業革命というべき生産形態の発展により大量生産・大量消費の経済社会が進行した.その中において人類は,新たな文明を形成すべき意欲を持ちつつも,多くの自然を破壊し,人間同士の触れ合いに秋風が立つのが感じられた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.