厚生行政を読む
出生率の低下と医療(上)
厚生行政研究会
pp.788-789
発行日 1990年9月1日
Published Date 1990/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900736
- 有料閲覧
- 文献概要
厚生省は去る6月9目に平成元年の人口動態統計を発表したが,我が国の合計特殊出生率(ある年間の女子の年齢各歳毎の出生率を合計したもの.仮にその産み方で生んだとして,1人の女子が一生の間に生む子供の数)は1.57となり,丙午(ひのえうま)の昭和41年を下回って戦後最低となっている.これは人口の維持に必要とされる数値である2.1を大きく下回っており,この結果,今世紀中にも老年人口(65歳以上)が年少人口(14歳以下)を上回る可能性もでてきている.出生率の低下は人口の高齢化を加速するものであり,それが社会経済全体に与える影響は大きい.そこで,今回はこの問題にスポットを当て,出生率や我が国の人口の現状を分析するとともに,それが今後の医療に与える影響について探っていきたい.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.