特集 病院の医療費体系をどうする
精神病院における入院医療費
津久江 一郎
1,2
1日本精神病院協会
2瀬野川病院
pp.772-779
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900452
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1993年3月19日,日本精神病院協会代議員会において,谷保健医療局長は,医業経営が厳しくなるなどの医療を取り巻く環境が変化していると指摘したうえで,「変わろうとしている医療に精神科医療も乗り遅れないように」と来賓あいさつをし,次いで広瀬精神保健課長は,「この1〜2年のうちに考えて行かなければならない」とその時期が早いことを示唆した.これを裏づけるように「わが国の医療供給体制の将来構想」(厚生省健政策局)によると,精神病院においては,「入院患者の病状に応じ,療養型病床群と専門病院に分化する」とある.
確かに「医療施設機能分化と体系化を進め,医療施設機能にふさわしい構造設備,人員配置を定めることにより,患者の病状に応じた良質かつ適切な医療を効率的に提供する」という基本的な考え方が前提となっていることは,周知の通りである.現実に「今世紀最大の改定」と自賛した平成4年4月1日の医療費改定,これに遅れること1年後(平成5年4月1日)の第二次医療法改正は昭和23年以来の大改正であった.
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