私の印象
入院費の保障された州立精神病院
成田 きよ
1
1初声荘病院
pp.56-57
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913354
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私は精神病院に勤務しているので,精神科看護,看護者のユニフォーム,患者さん,と目を向けてしまいました。一行のうち精神科は二人だけですし,2週間という短い期間,それに観光と充実はしていましたが,精神科看護については時間もなく,しかも私自身語学不足のため通りいっぺんに終わってしまいましたが,機会あってナパの州立精神病院を見学しました。
病床数3300,従業員2000人ということで,カリフォルニャ州にはこのほかに同じぐらいの規模の病院が5か所あるとのことでした。収容患者のうち,アルコール薬物の中毒が多く,ついでその他の精神病ということでした。医師は30人だそうです。病棟は60に分かれ,約10病棟ぐらいが閉鎖で,あとは開放だそうです。患者さんのレクリエーションは,日本と同じく,運動・ハイキング・海水浴・散歩だそうです。作業は院内で行なっているが,日本のような外勤作業はないとのことでした。作業内容はわかりかねましたが院内で行なった作業には報酬はないそうです。なぜならば州で入院費をいっさいめんどうをみているからだそうです。病棟をめぐってみて驚いたことには,アメリカにおいても看護婦が少なく,年配者が目立ったことです。共通の悩みをまざまざ見せられてきました。それ故か,テクニシャンと称する資格のない人を1年間,看護婦の基本勉強と話し方について教えてから働くといった方がかなり多いように見受けられました。
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