特集号 本誌発刊20周年記念
病院管理・その進歩と問題点
特殊病院
精神病院の入院管理
岩佐 金次郎
1
1井之頭病院
pp.59-62
発行日 1969年6月1日
Published Date 1969/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203664
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第二次大戦の暗い霧のなかで,光をまさぐっている一群の精神科医がいた.ある者はオランダで,ある者は英国で,ある医師はフランスで,たがいに連絡もなく,平和回復後の精神障害者対策を練っていた.英国では,戦時下の人力不足を補う便法とも判断されるが,現在の昼間病院や夜間病院が開設されており,開放方式も実行されていた.専門医の一群は,戦線の病院で数多くの将兵に対して,部外者に影響されずに精神医療を施したり研究発表を行なっていた.
戦後,これらの医師たちの経験や業績が発表されると,多くの精神科医・看護者・パラメディカルたちの間に,新しい大きな感動を与え,新しい活動をひき起こした.彼らは当時の新風であったが,やがて主流となり,その国々や,WHOの諸施策に参画し,今では指導的役割を演じている.そこに共通しているのは,次の二点である.
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