特別寄稿
死亡高齢者の医療費は本当に高いのか—入院医療費の年齢階層別分析・2
白木 克典
1
,
荒岡 茂
1,2
,
石井 暎禧
1
1医療法人財団石心会本部事務局地域医療連携室
2狭山病院病歴管理室
pp.578-582
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903571
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(前号より続く)
死亡高齢者に特有の高額医療など存在しない
前項では,マスコミなどで一人歩きしている「医療費は死亡直前に急上昇する」という論調について,①従来のデータには集計手法上の限界があり,「死亡前医療費なのか入院後医療費なのか」が不分明,また,②死亡,生存の別なく入院医療費と在院日数には逆相関関係が成立する,という2点を指摘した.そして,そのことを根拠として「死亡前」に特有の高額医療など存在しない可能性が強いことを示唆した.
以上を前提として,本調査レポートのテーマである「死亡高齢者の医療費分析」を行うこととしたい.まずは,本調査のデータ規模を示す「総件数および医療費総額」の確認と整理から開始する.
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