特集 どうする中小病院
これからの中小病院はどうするのか
医療に恵まれない山陰過疎地の病院
藤田 英輔
1,2,3
1平成記念病院
2山口大学
3島根医科大学
pp.216-219
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900312
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執筆依頼の趣旨は,当院の今後の展望や生き残り戦略ということであるが,これは開院後2年半という発展途上の幼い病院にとっていささか酷な質問である.現代は医療にかぎらずあらゆる面で疾風怒涛の時代と承知してはいるが,病院が生まれると直ぐに生きるか死ぬかの問題に直面するということについて,改めて時の流れのきびしさを痛感するものである.私達はふだんからこの問題を真剣に受けとめており,開院以来種々の難局に対処しながら今日までやってきたというのが偽らざる実感である.
ここでは,このような将来の問題に触れる前に,先ず当院の概要と開院の動機を含めた経緯,つまり生みの苦しみと,開院後今日まで遭遇した種々の難問に生き残りのためにとってきた対処の仕方など,つまり誕生後の生いたちを回顧し,次いで将来どのような方向を模索しているかについて触れれば,編集の趣旨に多少ともそうことができるのではないかと筆をとった次第である.
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