特集 どうする中小病院
これからの中小病院はどうするのか
保険外収益の増加で病院を建て替える
梶原 優
1
1医療法人弘仁会板倉病院
pp.220-221
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900313
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昭和36年国民皆保険制度が実施され,日本国民は誰でも,いつでも,どこでも,比較的良質な医療が安価で受けられるようになり,その結果医療需要の増加と共に医療供給体制も増加の一途を辿りました.当然国民医療費は増加の一途を示し,特に,昭和48年老人医療費の無料化が行われてから更にこれに拍車がかかったといえます.これに対し昭和56年より総医療費抑制政策がとられ,医療の量から質への転換の名の下に,昭和60年12月医療法の改正が行われ地域医療計画が実施され,各都道府県毎の医療圏の設定をし,病院病床の量的規制が行われました.これに対応し病院病床の駆け込み増床が発生し,その結果,医療の過剰供給と,医療に携わる人的資源の不足が社会問題化してきました.さらに,平成4年には医療法の改正が行われ,病院の特性,規模による類型化が行われようとしています.
基本的には,今後迎える超高齢化社会に対し,限られた医療原資で医療の質を落とさず高度医療にも対応でき,さらに福祉,予防医学,環境等を念頭に置いて,いかに合理的に無駄を省いた体制に再構築するか,また国民が受け入れ可能な負担率にしていくかという大きな命題が与えられていると考えられます.
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