特集 こんな勤務医はいらない
勤務医の条件
山根 至二
1
Yoshiji YAMANE
1
1東京厚生年金病院
pp.415-417
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900092
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およそ医師になったものの動機として考えられるものは,大別して2つに別れるのではあるまいか.その1は収入ないし社会的地位の問題であり,他は名医になりたい群であろう.米国では,医師になった動機と聞けば,“it's money.”という返事が大半という.名医になりたいという表現は適切でないかもしれないが,十分な設備があり,難しい疾患が集まる大病院に勤務を志望される医師の心中は,努力し勉強して自分の腕を磨きたいということではあるまいか.人道的・倫理的見地から僻地を志願される医師たちもあるが,この人たちも良医を志しているといえよう.
勤務医を求める病院側としては,当然,上記のことを前提としているわけである.病院には病院としての理念があり,それに添って努力していただける医師を募集せざるを得ない.医師過剰時代と数字のうえからは騒がれても,全国的に見れば病院側が自由に医師を選択できる状態にあるとは言えないが,病院管理者としての内心に差はあるまい.
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