MSWの相談窓口から
患者の背後の問題に迫る
小松 智世美
1
Chiyomi KOMATSU
1
1太田記念病院
pp.72
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900012
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患者との出会い
「——女性が欲しい.できれば看護婦.あなたは理想的——などといっては,周囲の人達のひんしゅくを買っている患者ですが,社会的地位も名誉もあり,会社をいくつも経営しているお金持ちで75歳.本気なのか冗談なのか分からないけれど,時折見せる孤独な表情は老いのせいばかりではなさそう.糖尿病が進んで入院したが,どことなく荒んだ暮らしぶりがうかがえて……この患者には,看護接遇をこえた,社会生活者としての人間的かかわりが必要と思えます」
常に真摯な態度で患者に向き合う病棟主任看護婦から,ソーシャルワーカーは患者Hさんについて相談を受けた.Hさんが病院に求めているのは,血糖値が下がることだけではないのかもしれない,と考えたワーカーは,早速,Hさんに連絡をとった.
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