Japanese
English
研究と報告
奇妙な背後恐怖患者に関する考察
Über den seltsamen Kranken, der Hinterfurcht hat
小見山 実
1
,
平山 正実
1
,
渡部 修三
1
Minoru Komiyama
1
,
Masami Hirayama
1
,
Syuzo Watabe
1
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
1Psychiatrische und Nervenklinik der Tokio medizinichen und zahnärztlichen Universität
pp.191-197
発行日 1970年3月15日
Published Date 1970/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201587
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Ⅰ.まえおき
「みる」という現象にはさまざまな意味がある。たとえば,みえるという「見る(Sehen)」,目をとめてじっと「視る(Erblicken)」こと,人格的な出会いにおける「みつめあう」こと,相手の所有を示す「目に入れても痛くない」みかた,など。つまり「みる」という現象には,その現われ方を通じて他者とのあり方や他者に対する態度が表明されている。したがって,「みる」ということが対人関係において重要な役割を演じていることが理解される。
精神医学においても「みる」ことの病態が出現する。たとえば,分裂病者における「まなざし」(J. Zutt)や「出会い」(v. Bayer)の病態,神経症者の視線恐怖などをあげることができよう。
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