連載 地域と医療の未来を創る中小病院のあり方・9【最終回】
コミュニティホスピタルのつくりかた—医療法人社団同善会同善病院
草野 康弘
1,2
1医療法人社団同善会事務局
2コミュニティ&コミュニティホスピタル協会事務局
pp.1109-1111
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541212081
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■同善会の歩みとコミュニティホスピタル
2022年コミュニティホスピタルに転換した同善病院は,高度経済成長期に日雇いの労働者が多く集まった簡易宿泊所が並ぶ,通称ドヤ街と呼ばれる旧山谷地区がある東京都台東区三ノ輪に位置する.現在は45床の回復期リハビリテーション病棟を持つ在宅医療支援病院(近隣には同善会クリニックを併設)であるが,歴史を遡ると超高齢化社会を迎えた現代にコミュニティホスピタルに転換したことは,歴史の必然とも感じられる.
同善会は1889(明治22)年に同善尋常小学校が設立されたことに始まる.その後,関東大震災の被災者救護施設を運営,第二次世界大戦時には戦災者収容救護を実施,高度経済成長期を迎える前の1948(昭和23)年には保育園事業を開始.1956年に同善病院(療養病床)が,2007年には保育園の跡地に同善会クリニックが誕生している.2009年には回復期リハビリテーション病棟を導入した.その後,さまざまな変遷を経て2022年4月には30代前半の若手総合診療医3人が着任し,訪問診療事業を開始.総合診療を中心としたコミュニティホスピタルに生まれ変わった.
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