特集 病院人事マネジメントの具体策
制度の構築と運用の実際
病院におけるトータル人事制度
長田 修一郎
1
1医療法人清和会長田病院
キーワード:
トータル人事制度
,
職能・職務資格等級制度
,
複線型人事制度
,
役職定年制度
,
看護キャリア開発ラダー
Keyword:
トータル人事制度
,
職能・職務資格等級制度
,
複線型人事制度
,
役職定年制度
,
看護キャリア開発ラダー
pp.407-412
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211678
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■はじめに
医療法人清和会長田病院(以下,当院)は福岡県南部の柳川市(2022年2月末現在,人口63,802人)に位置する内科単科の病院である.病床数は182床(一般96床,療養86床)であり,呼吸器内科・消化器内科を専門とし法人の複合施設と合わせ,急性期から在宅までの医療と介護で地域のニーズに応えている.
当院では,個人の成長が組織パフォーマンスを最大化することを目的として,2003年8月に加点主義人事制度を導入し2022年で20年を迎える.その基本軸となるのが職能・職務資格等級制度(院内資格制度)であり,個人が能力を高めることによって上位等級に昇格できる仕組みである.また,キャリアを積みながら個人の意思や適性に応じてコースを選択できる複線型人事制度を運用し,昇進や戦略的な人材の選出や,経営層への選抜人事も可能としている.
これらの制度は単独で成り立っているのではなく,病院の3つの期待像(等級・職務・職群)を基準とし,目標面接,人事考課,能力開発,配置転換,賃金など複数の制度と連動して人材マネジメントを図る「トータル人事制度」として運用している.また,その制度は社会情勢,医療を取り巻く環境,職員満足度などを考えながら柔軟に対応している.
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