特集 多様化時代の病院人事
大学の人事と病院の人事
後藤 由夫
1,2
1東北厚生年金病院
2東北大学
pp.718-722
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901293
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はじめに
医師の社会的地位が高く収入も多かった時代は終った.毎年およそ8,000名(平成6年度医師国家試験合格者)の医師が誕生し,高齢でも働きつづける医師がふえたので,医師1人当りの人口は昭和45年872人から平成4年には567名となっている.イタリー,ドイツほどではないが医師過剰気味で,免許証さえあれば引く手数多の時代もやがて終ろうとしている.一般企業では終身雇用,年功序列から期間契約雇用,職能給など被雇用者の能力・実績を重視して,企業の経営業績を最優先する人事管理へ移行する潮流がみられる.
病院における医員の人事は特殊で閉鎖的であるが,今後も一般社会の地殻変動と無関係でありつづけるかなどについて,以下私見を述べ本特集執筆の責を果したい.また大学,病院に望ましい教員や医員にはどのような条件が求められるかについても述べることにする.もとより筆者自身は多くの欠点を持っている人間であることを充分自覚しているので,過去を振返ってかくありたかったと反省させられた事項を述べることを御了承いただきたい.
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