特集 すぐそこまで来た,医師の働き方改革—課題と実現可能性
各病院はどのように対応するか
地域に医師を派遣している大学病院は,医師の働き方改革にどう対応するか
横手 幸太郎
1,2
,
湯澤 由紀夫
3,4
1千葉大学医学部附属病院
2全国医学部長病院長会議 医師の働き方改革検討委員会
3藤田医科大学・病院群統括
4全国医学部長病院長会議
キーワード:
研究
,
自己研鑽
,
労働時間制
,
地域医療
,
全国医学部長病院長会議
Keyword:
研究
,
自己研鑽
,
労働時間制
,
地域医療
,
全国医学部長病院長会議
pp.130-133
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211617
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに
全ての勤務医に時間外労働の上限規制が適用される2024年度が近づいている.診療・研究・教育のそれぞれに役割を期待され,成果を求められる大学病院の医師には,これまで,むしろ早朝から深夜まで働くことが美徳とされてきた時代が長かったようにも思われる.その意味において,医療界の中でも特に大学で働く臨床医にとって,この働き方改革は価値観と構造の大転換と言えよう.
一方,現状のまま,単純に労働時間を縮減するだけでは,既存業務の担い手が不足し,地域医療の崩壊や研究力の著しい低下を招くことが想像に難くない.まずは,勤務時間とその内容の正確な把握,業務の効率化,タスク・シフト/シェアを含めた新たな担い手の確保,収入の確保,そして,地域や医療界全体を巻き込んだ機能分担や体制づくりなどを包括的かつ速やかに検討していくことが必要となる.
本稿では,主に一般社団法人全国医学部長病院長会議(AJMC)の医師の働き方改革検討委員会の立場から,大学病院における課題と対応について考えてみたい.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.