連載 アーキテクチャー×マネジメント・78
くぼのやウィメンズホスピタル
髙尾 昌和
1
1株式会社 藤木工務店 東京支店営業部設計課
pp.566-571
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211462
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■さらなる安心・安全な医療環境の提供を目指して
くぼのやウィメンズホスピタルは,2020年に開業60年を迎えた産院である(図1,2).創業時より受け継がれている「お母さんや赤ちゃんに優しい産院でありたい」という理念に基づき,出産,不妊治療,産前産後のメンタルヘルスケアといった周産期におけるトータルケアを実践してきた.
本計画は,増築棟の新築工事と既存棟改修工事を実施した.計画の大きな柱は2点ある.1点目は,病床を18床から40床に増床し,より安定した受け入れ態勢を整えること.2点目は,マンモグラフィの導入による乳がん検診の開始や,体に負担の少ない内視鏡手術に力を入れるなどの婦人科機能の充実化である.従来から取り組んでいる産前産後のサポートに加え,小児科の機能拡充を視野に入れつつ,これからは周産期のみならず,女性のあらゆるライフステージにおいて,さらなる質の高い医療とケアを提供する病院として展開する.それに伴い法人名を「医療法人社団 窪谷産婦人科」から「医療法人社団 満葉会 くぼのやウィメンズホスピタル」(以下,同院)に改名.「満葉会」の「満」は創業時より積み重ねられてきた良き歴史を大切にしたいという想いから創業者の名前より一文字とり,「葉」は社会の変化に対応した広がりを持った医療を展開していくという,これからのビジョンを表している(図3).
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