研究報告
介護老人保健施設に勤務する看護師のアセスメント技術に関する研究
山田 由紀
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫性博士課程
キーワード:
介護老人保健施設
,
アセスメント技術
,
高齢者の多面性
,
高齢者の身体特性
,
生活状況
Keyword:
介護老人保健施設
,
アセスメント技術
,
高齢者の多面性
,
高齢者の身体特性
,
生活状況
pp.416-424
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
介護老人保健施設(以下,老健)の看護活動では,包括的に高齢者を把握するためのアセスメント技術を習得することが必要である。また,一般病院において病気の治療を目的とするアセスメント技術を老健でそのまま適用することは困難であり,かつ支障をきたす。本研究ではこのようなことから,老健に勤務する看護師が重要と認識するアセスメント技術を明らかにすることを目的とした。
研究方法は,老健で勤続年数5年以上の看護師に半構成的面接法を用いて面接調査を実施した。その結果,老健における看護活動には,高齢者の標準的な状態や在り方,機能レベルやそれに応じたケア内容を体系的に捉えるアセスメント技術が必要であった。また,高齢者のニードだけでなく,心情や人間性,趣も含めた内面的な事柄や,施設内・外における生活環境や生活状況,そして生全般における背景や家庭関係などを捉え,【個々の高齢者固有のさまざなま事柄,主に身体的特性を把握する】ためのアセスメント技術が必要であった。老健では個々の高齢者の一面的な身体機能や身体状態を捉えるだけでなく,さまざまな生活文脈や生活推移を常時観点とすることや,高齢者のさまざまな角度や側面から捉えることが必要不可欠であった。また,継続的な経過観察を実施することや,親密な関係性を気づいていくことで効果的なアセスメントが行なえることが明らかになった。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.