特集 2020年診療報酬改定から読む病院経営
診療報酬政策の意味と課題
遠藤 久夫
1
1学習院大学経済学部
pp.900-904
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211313
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●診療報酬改定には,医療費および医療内容のコントロール機能がある.
●診療報酬改定には,リアクティブ改定とプロアクティブ改定の2つのタイプがある.前者は現状に合わせて診療報酬を修正するケース,後者は新しい方針に沿って医療内容を変えていこうというケースである.
●診療報酬による医療のコントロールは政策目標通りになるとは限らない.次の4通りのケースが考えられる.効果が出過ぎる「オーバーシュート型」,反応が鈍い「笛吹けど踊らず型」,患者の受療行動の変化が効果を弱める「受療行動の変化による効果相殺型」,コントロールしても他の行為が変化して効果を弱める「交差弾力型」.
●今後の診療報酬政策で注目すべき視点は次の4つである.「外来医療の包括化はあるか」「診療報酬のアウトカム評価は拡大するか」「レセプトデータによる医療の透明化」「地域別の診療報酬の可能性」.
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