連載 アーキテクチャー×マネジメント・61
芳賀赤十字病院
小林 健一
1
1国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部
pp.8-13
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211107
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■はじめに:地域医療の担い手として
芳賀赤十字病院(図1)が位置する栃木県の県東保健医療圏は,真岡市,芳賀郡益子町,茂木町,市貝町,芳賀町から構成され,およそ14万人が暮らす圏域である(図2)1).圏内には民間病院が3つ(うち精神病院が1つ)あるが,芳賀赤十字病院は県東保健医療圏において急性期医療を提供する唯一の公的病院である.
真岡駅を中心とする住宅エリアは,県庁所在地で経済の中心でもある宇都宮市(人口52万人)から車で約1時間,隣接する県南保健医療圏に2つある大学病院には30〜40分程度の距離であり,入院医療の半数近くがこれらの医療圏に流出している状況であった.
創立から100年近い歴史をもつ芳賀赤十字病院は,敷地内の各棟の老朽化が著しいことから新病院の整備が求められていたが,建て替えに際しては上述のような圏外への流出患者を受け止め,地域医療の中心的な担い手となることが期待された.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.