連載 「働き方改革」時代の労務管理・19【最終回】
職務懈怠,医療過誤,ドクハラと懲戒処分—組織の秩序と信頼を守るために
越本 幸彦
1
,
石井 洋輔
1
1弁護士法人御堂筋法律事務所
pp.935-939
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211100
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■職務懈怠と懲戒処分
職務懈怠(典型例として,無断欠勤・遅刻・早退,勤務状況不良および勤務成績不良など)は,雇用契約上の債務不履行に該当するが,直ちに懲戒事由の対象となるわけではなく,懲戒処分が使用者の組織秩序維持のために行われるものであることから,当該職務懈怠が服務規律に反したり,職場秩序を乱した場合に懲戒事由となる.
しかし,チーム医療において,医療従事者一人一人の職務懈怠は全体の医療提供の質の低下を招き,場合によっては重篤な結果を招きかねない.それ故,医療従事者間では,職務懈怠と思しき従業員に対する不満が大いに募りやすく,重い懲戒処分を望む声が聞かれることもしばしばであり,病院経営者としても,どこまでの懲戒処分を実施できるか,頭を悩ませる問題である.
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