連載 ケースレポート
地域医療構想と民間病院・32
奈井江町立国民健康保険病院—人口過疎地域における公立病院の機能転換:高齢社会を支える地域包括ケアミックス病院へ
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.929-934
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211099
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■病院の概要
奈井江町立国民健康保険病院(以下,奈井江病院)は北海道空知郡奈井江町に,1935(昭和10)年に奈井江産業組合厚生福利施設奈井江協済病院として開設,その後1962(昭和37)年に奈井江町立国民健康保険病院として移管開設され,以来,同地区の医療を支えてきた中核施設である.しかしながら石炭産業の衰退とともに人口は減少し,それに伴い病院機能も当初の一般病床を中心としたものから急性期後に徐々に転換し,2016(平成28)年度に病棟再編によって病床数をそれまでの96床(一般46床・医療療養20床・介護療養30床)から50床(一般18床・医療療養32床・介護療養病床廃止)とした.さらに,2018(平成30)年度からは医療療養50床(入院基本料2,うち開放型病床12床)の病院となっている.常勤医師3名に加え,北海道大学,旭川医科大学,砂川市立病院の支援を得て,内科,整形外科,外科,眼科,小児科の外来診療を行っている.
もともとは2階,3階の両方が療養病床であったが,病棟稼働率の低下,そして医療職確保の難しさもあり,2016年に2階部分のみを療養病床として残し,3階は約1億円をかけてサービス付き高齢者向け住宅(16部屋)に転換している.
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