研究
回復期リハビリテーション病棟の適応患者の検討
風晴 俊之
1
,
美原 盤
2
1脳血管研究所美原記念病院 リハビリテーション科
2脳血管研究所美原記念病院 神経内科
pp.705-709
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210549
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要旨
現在,回復期リハビリ病棟は疾患ごとに入院期間が定められているものの,疾患によっては重症度が大きく異なるが,詳細な分類はされていない.そこで,FIM利得を算出し,回復期リハビリ病棟の適応について検討した.また,歩行自立に至るまでの期間を調査し,回復期リハビリ病棟のあり方について考察した.結果,重症患者は正の相関,その他の患者は負の相関関係を認めた.すなわち,重症患者や軽症患者は改善が得られにくく,病棟機能を鑑みれば,中等症患者が最も適応であることが示唆された.歩行自立に至るまでの期間は,重症患者は平均64日,最長で120日以内に自立し,軽症患者は平均30日,最長で60日に自立していた.入院期間について,脳血管疾患患者の入院料算定上限日数150日もしくは180日は長すぎる可能性が示唆された.以上より,疾患の重症度など詳細に分類し,単価設定することなどで,医療費の適正化が図られるのではないかと考える.
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