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はじめに
脳卒中患者においては,急性期治療として点滴治療,手術治療とともにリハビリテーション(以下リハ)治療が行われているが,多くの脳卒中患者は多彩な神経症状が残存した状態で急性期治療を終了する場合が多い。このような脳卒中患者に対し,急性期,回復期,維持期へと続くリハ医療が,効率よくかつ効果的に行われるために,医療機関の病期別機能分化・役割分担が適切になされることが求められ,脳卒中医療は高度専門化している。ふだんの健康管理や再発予防を担うかかりつけ医,救急医療・急性期医療を担う急性期病院(病棟),回復期リハを行う回復期リハ病院(病棟),そして維持期のリハやケアを行う療養型病院・施設を中心とした介護システム,という4つのチームの役割分担が明確となり,脳卒中医療にあたってはこれらの密接な連携が重要である。
わが国においては,平成12年4月の保険改定により,回復期リハビリテーション病棟入院料が新設され,その後全国各施設において回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)の新設が続いている。急性期型病院・病棟における在院日数の短縮化が求められている今,継続的なリハ医療の提供を急性期病棟のみで行うことは困難な状況で,そのため回復期リハ病棟において密度の高いリハ医療が継続的に提供され,寝たきり防止から家庭復帰,社会復帰を目指し,チーム・アプローチにより地域に密着した介護サービスを中心とした維持期リハへのスムーズな移行,円滑かつ有意義な在宅復帰を進めることが行われるようになった。
当院は病床436床を有する急性期型病院であったが,病棟再編成により平成15年1月より回復期リハ病棟(55床)を開設し,急性病棟での救急医療・病診連携を中心とした急性期医療とともに,急性期・回復期へと続くリハ医療の継続的加療による在宅復帰を目指した病院完結型医療を行っている。このような回復期リハ病棟での,主に脳卒中患者を対象とした在宅復帰へ向けた取り組みについて述べる。
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