連載 医療と法の潮流を読む・2
医薬分業を越えて 病院-保険薬局協働の時代へ
十万 佐知子
1
,
宇都木 伸
2
,
三木 知博
3
1武庫川女子大学薬学部病態生理学研究室
2東海大学
3武庫川女子大学薬学部
pp.538-543
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210514
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■医薬分業の目的は患者安全
「医薬分業」の考え方は,実は明治時代から存在した.しかしそれは,戦前戦後を通じて─特に,GHQ(連合国最高司令官司令部)の強大な権力をもってしても─定着することはなかった.医薬分業元年と呼ばれている1974(昭和49)年1),厚生省(現厚生労働省.以下,厚労省)が処方箋料を大幅に引き上げたことにより,その当時1%に満たなかった院外処方箋受取率(分業率)は徐々に伸び始めた2).2016年,約40年かけてついに全国平均が70%を超え3),「量」的には医薬分業をほぼ達成する状況になった.
ここで,医薬分業の「質」が問われる時代が本格的に到来したのである.
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