特集 医薬分業と病院
医薬分業の流れ
岩本 東子
1
Haruko IWAMOTO
1
1国立姫路病院薬剤部
pp.906-908
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900768
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わが国では,1874年(明治7年)に「医制」が発布され,薬律「薬剤師制度」は1889年(明治22年)に発足している.医薬分業はうたわれていたが,くすしとして医師と薬が一体化して育ってきた歴史と共に一般国民の意識は,病気を診断した先生の病院で薬を調剤してもらう合理的な面として現在も続いているのであるが,第2次世界大戦後1946年(昭和21年),GHQのサムス准将が日本の医療制度を「医師が薬を売り薬剤師が雑貨屋をしている.」と批判した話はあまりにも有名である.
3年後の昭和24年にアメリカ薬剤師協会の使節団が日本を訪れて医薬分業の実施を勧告した.これを受けて昭和26年に強制分業法が成立しているが,昭和31年に任意分業に改正されて今日に至っている.しかし,戦後の日本の経済成長はめざましく国際的にもその指導的立場はゆるぎないものとなり,各方面において日本独自の施策から国際的に通用する政策に変更をせまられている現状である.
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