特集 病院経営から考える医薬分業
医薬分業のあるべき姿
医薬分業の背景と現況についての考察
佐藤 敏信
1
1久留米大学
キーワード:
医薬分業の意義・効果
,
薬学教育モデル・コア・カリキュラム
,
薬学部におけるカリキュラム・シラバス
,
薬剤師国家試験
,
保険薬局の独立性
Keyword:
医薬分業の意義・効果
,
薬学教育モデル・コア・カリキュラム
,
薬学部におけるカリキュラム・シラバス
,
薬剤師国家試験
,
保険薬局の独立性
pp.668-675
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211984
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本号で筆者に与えられたテーマは「医薬分業の現在の姿は,制度設計時の理想の姿に近づいているか」ということだが,実はその評価は簡単ではない.まずは,設計時の理想が簡単にまとめてある2015年3月12日の厚生労働省「医薬分業の考え方と薬局の独立性確保」1)の最初のページで復習してみる(図1).
このスライドからさえ8年も経っているので,その評価はどうかと,今はやりの(ChatGPTをエンジンに組み込んだ)BingAIに「医薬分業が進んだことで,これまでにどういう好ましい効果や影響がありましたか? これを定量的に評価することはできますか?」と尋ねてみた.その答えをそのまま書くことはしないが,要は「ほとんど見当たらない」というものだった.そこで,一歩踏み込んで「例えば医療費の削減に効果があったというような報告や研究はありますか?」と聞いたところ,一つだけ見つけてくれた2).私もBingAIの結果を,そのまま鵜呑みにするほどナイーブではないが,それにしても誰もがすぐに知る,実感できるほどには報告されていない注1ということだろう.
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