特集 DPCの新展開
DPCが果たす医療政策の展開—これまでの足跡と医療政策へのインパクト
迫井 正深
1,2
1厚生労働省保険局医療課
2前・医政局地域医療計画課
pp.98-104
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210416
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●わが国で独自に展開されたDPCの開発と普及は,広く医療に関わる関係者の「共通言語」が,診療情報の標準化を通じた医療の質向上と医療提供体制改革の推進(地域医療構想)といった社会貢献を果たすという“サービス・イノベーション”である.
●臨床プロセスを重視し米国DRGとは一線を画したDPCは,さまざまな制度設計上の工夫とともに診療報酬制度(DPC/PDPS)に導入され,それを契機に臨床現場で急速に普及・拡大,その後の広範なDPCデータ利活用の礎を築いた.
●さらなる進化が期待されるDPCは今後,急性期入院医療にとどまらず慢性期や精神医療などの「横」への拡充,あるいは,外来や介護といった個人を「縦」に評価・分析する枠組みとしての政策展開が見込まれ,その理念と効用は国際的な規格としての発展も期待される.
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