連載 アーキテクチャー×マネジメント・12
医療法人社団和風会 千里リハビリテーション病院
小菅 瑠香
1
1帝塚山大学現代生活学部居住空間デザイン学科
pp.874-878
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209973
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■はじめに
大阪の万博記念公園から少し北西,住宅と緑に囲まれた静かな土地に,ホテルと見間違うような佇まいの病院が建っている(図1).かの有名な,千里リハビリテーション病院である.見学に訪れたことはなくとも,その強烈なコンセプトで印象に残っている人は多いだろう.
病院の患者圏域は近郊の4市2町からが60%,大阪府三島郡からが30%,残りは遠方からである.紹介元は国立循環器病研究センターからが半分程度を占める.また,疾患の内訳としては脳卒中80%,骨折20%.回復期リハビリテーション病棟の平均在院日数は90日である.
「リハビリテーション・リゾート」や「日常生活の中でのリハビリテーション」,そんな言葉をキーワードにこの病院が開院してから,既に8年が経つ.一貫して理念を曲げることなく歩んできた病院の運営を振り返りながら,本稿では,年月とともに変化してきた建築の使われ方などについてまとめる.
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