連載 アーキテクチャー×マネジメント・64
医療法人社団 薫英の会 久野病院
小菅 瑠香
1
1帝塚山大学現代生活学部居住空間デザイン学科
pp.262-267
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211164
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兵庫県神戸市の西北,池と田畑の広がる自然豊かな土地に,2017年度の医療福祉建築賞(一般社団法人日本医療福祉建築協会)を受賞した医療療養型病院がある(図1).初めてその図面を建築雑誌で見かけたとき,珍しい病棟プランに目を奪われた.療養型病棟は大部屋主体で採光が行き渡らない事例も多い中,特に雁行型の病床配置で各床二面の窓を設けた明るい多床室の設計は新鮮であった.
実際に取材で訪れてみると,その驚きはたくさんの「仕掛け」の中のほんの一部であったことに気がついた.建物自体は単純な平たい箱,しかしその中身には医療者と設計者のさまざまな工夫がぎっしりと詰まっている.ソフトとハードが一体となって新しい環境づくりに挑戦する,今回はそんな意欲的な病院を紹介したい.
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