連載 病院経営に効く1冊・10
『GHQサムス准将の改革—戦後日本の医療福祉政策の原点』
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部
pp.773
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209948
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本書は,終戦直後わが国の医療・福祉制度改革を指導した,連合国軍の公衆衛生福祉局(PHW:Public Health and Welfare Section)の局長であったクロフォード・F・サムスの自伝の編訳である.
サムスが日本に進駐した当時の日本は,長期間の戦時体制により国民の衛生状況は非常に悪く,外国からの引き揚げ者もあり,天然痘や発疹チフス,赤痢,日本脳炎などの伝染病が蔓延していた.医療提供体制も戦災により多数の医療機関が消失,残った施設も設備が荒廃し,医療供給能力は大幅に低下していた.医師の教育水準も,戦時中の医学専門学校の急設や教育期間短縮などの措置により極めて低い状況にあった.
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