連載 地域医療構想と〈くらし〉のゆくえ・7
推進すべき在宅医療のあり方とは
髙山 義浩
pp.770-771
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209947
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沖縄県立中部病院では,4年前より在宅医療に取り組む診療科として地域ケア科を立ち上げています.専従の医師はいませんが,退院後の療養に不安のある患者さんやご家族の相談に乗ったり,退院直後のフォローアップを各科連携する形で行っています.また,悪性腫瘍の終末期にある患者さんについては,看取りの日まで私たちが訪問診療を行うようにしています.
当初は,「病院から出て行って診療するなんて非効率ではないか?」と指摘されることもありました.けれども,医師が毎日のように回診したり,検査を行ったり,看護師がさまざまなケアを提供する病院医療と比べれば,早めに在宅医療に切り替えた方が人的資源を注がずにすむのです.在宅緩和ケアについても,訪問看護ステーションや介護事業所など地域との連携さえあれば,急性期病院の医師が訪問するようにしたとしても,トータルでの診療時間は短縮しますし,ベッドも空くわけで,つまり効率的になるのですね.
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