味わいエッセー 出会い
石鯛
黒島 義男
1
Yoshio KUROSHIMA
1
1町立浜岡病院
pp.1150
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209732
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今,この文を書いている院長室の窓から,太平洋の遠州灘の黒潮が見えています.この病院に単身赴任して3年間,出会いと言えるものは,病院とこの地域,なかんずく海です.今年の5月,4kgの石鯛を釣り上げたことは特に印象に残っています.
子供の頃から釣りが好きで,幼稚園に行く条件が釣りに連れて行ってくれることであり(故郷は子鮒釣りしあの川であった),もっとも故郷の川では釣りよりも水中に入って網やもりで小魚を追っかけ,水中のガラスや陶器の破片で足を切って両親に叱られ,漁師になるのかと皮肉を言われ,「狩と魚取りは人間の本能である」と理屈を言って感心されたことが思い出されます.自転車に乗れる年齢になると早速ハゼ釣りに出かけ,猫の餌取りで猫に慕われていました.
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