薬の臨床
超音波カラードプラ断層法における超音波造影剤SH/TA−508の産婦人科領域病変に対する有用性の検討
本田 育子
1,7
,
名取 道也
2,8
,
黒島 義男
1,9
,
篠塚 孝男
1
,
野澤 志朗
2
,
斎藤 美和
2
,
雨宮 章
3
,
斎藤 馨
3
,
塩口 淳一郎
3
,
岡田 弘二
4,5
,
山本 宝
4
,
柏木 宣人
4
,
北尾 學
6
,
秦 幸吉
6
1東海大学医学部産婦人科
2慶應義塾大学医学部産婦人科
3聖マリアンナ医科大学医学部産婦人科
4京都府立医科大学医学部産婦人科
5現:済生会吹田病院
6島根医科大学医学部産科婦人科
7現:山王病院
8現:国立大蔵病院
9現:東海大学医学部付属大磯病院
pp.1223-1234
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902675
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超音波カラードプラ法による産婦人科領域の病変診断を必要とする患者62例を対象とし,超音波用造影剤SH/TA−508の血流シグナル増強効果,診断能の向上,安全性および有用性を全国5施設の共同研究にて検討した.
投与方法は,1回目注入としてSH/TA−508の300mg/mlを5ml,2回目400mg/mlを4ml,3回目300mg/mlを10mlもしくは400mg/mlを8mlとした.ただし,十分な効果が得られた時点で以降の投与は実施しなかった.血流シグナル増強効果は,投与前血流シグナルが「ほとんどなし」から「やや不満足」の症例が1回目投与後は78.3%(2+以上:適切以上のシグナル),2回目投与までの累計で92.8%となり,3回目を投与した症例はなかった.診断能の向上性は,「明らかに向上」が76.1%,「わずかに向上」が17.4%,「変わらない」が6.5%であった.安全性では,62例中4例(6.5%)に軽度一過性の血管痛が認められた.概括安全度は93.5%が「安全」,6.5%が「ほぼ安全」と評価され,総合的な有用性は87.4%(有用率:有用以上)であった.
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