人
病院管理学的視野に立つ事務長 聖路加国際病院事務長 上林三郎氏
牧野 永城
1
1聖路加国際病院
pp.196
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209504
- 有料閲覧
- 文献概要
聖路加国際病院では事務長という呼称が使われているが,他院での事務局長または事務部長と同義で,上林君は前任の落合氏の後を継いでこの職に就き,既に14年余りになる.彼の父君も本院に勤めた人で,元来建築家として事務所を持っていたのだが,現在の本院が誇るチャペルの建設の際,乞われてその仕事を手伝うことが機縁となって本院に勤めることになったという.親子2代にわたる本院の家族ということになる.年齢の割には極めて若く見えるが,本院に奉職して40年を越え,この病院の歴史に関しても,今では生き字引き的存在になっている.
私にとってはもとより右腕的な存在で,長年の病院事務職の体験で,ボイラー室からコーヒーショップに至るまで,その運営の機微を心得てくれているので心強い.東京で育った人なのだが,どちらかというとかなり寡黙な方で,口の固いことも無類であり,何でも安心して相談できる.その上,根っからのクリスチャンで,策を弄することを知らない人として,人に憎まれることがなく信頼される.日本病院設備協会理事,日本能率協会評議員,日本病院会関係の諸委員なども務めるが,地味な人柄をそのまま表し,活動に派手さはなく,こつこつと地道に仕事のペースを守る.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.