研究と報告【投稿】
病院事務長に関する研究—1.事務長の人事,主として属性について
車田 松三郎
1
1東北大学・病院管理学
pp.113-117
発行日 1972年5月1日
Published Date 1972/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204669
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今回は主として病院事務長の人的属性に関連する事項についてまとめたが,それを要約すると次のとおりである.
1.年齢分布・勤務年数
(1)全体として,平均年齢は51.7歳であったが,前年に比較して,やや高くなっている.経営主体別では,日赤に高く(59.5歳),会社に低い(48.9歳).規模別には99床未満は48.1歳と低かったが他はやや高く平均年齢50歳を越えていた.
(2)全体として,勤務年数は10年前に比してやや長くなっている.平均5.5年であった.経営主体別には日赤が12.5年でもっとも長く,逆に都道府県立が2.7年でもっとも短かった.病院の規模の大小による変化はあまりみられなかった.
2.学歴
学歴は全体として,旧制中学卒が多い.大学卒は全体の14.9%にすぎない.病院の規模との関係では,規模が大きくなるにつれて旧制中学卒の事務長が多いことがわかる.しかも,この学歴について構成割合をみると10年前とほとんど差がみられないということである.大学卒業者も必ずしも多くなっていない.これは事務長職の位置づけについて考察するためにも興味のあることである.
3.支持政党について
10年前はとかく,支持政党を明記しなかったのであるが,今回はこの点を明確に記されていた.その結果,自由民主党の支持者が圧倒的に高いことがわかった.他の職種に比しても高い.平均年齢が高いことも一因であろう.
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