グラフ
集学的治療で病気に"挑戦"する—札幌北楡病院
pp.189-194
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209503
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最近の札幌を形容する言葉としては,「病院の街・サッポロ」というのが一番似つかわしいのかもしれない.それというのも,地下鉄駅の構内に入れば,病院の案内広告がやたら目につくし,今回紹介する札幌北楡病院のある地下鉄白石駅の周辺にも,12の一般病院・専門病院が,文字通り,ひしめき合っているからだ.千歳空港から市内に至る幹線道路の周辺も同様で,地域医療計画公示前の"駆け込み"的な増床や病院の新築が,この傾向を更に際立たせたようである.その因果関係は断定できないまでも,現に,札幌の医療関係者のあいだでは,患者の確保に窮して経営的に悪循環に陥っている病院のことが,チラホラ噂にのぼったりしているそうだ.
そんな札幌で,北大第一外科出身の川村明夫院長が札幌北楡病院,人工臓器・移植研究所(AOTH, ArtiflcialOrgan Transplantation Hospital)を開設したのは1985年1月,ちょうど今年が5年めで,川村院長が42歳のときだった.院長は持ち前のバイタリティと豊かな発想で医療を展開,市内に数多くある公的病院の追随を許さない高度な診療内容で実績を積み重ねてきた.それを支えてきたのが,油の乗り切った医師陣,看護婦,コ・メディカルスタッフと充実した設備.「病院の使命は患者さんの病気を治すのが第一」といいきる川村院長のもと,集学的治療体制を駆使して"病気に挑戦する"日々がこれからも続くことだろう.
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