研究と報告【投稿】
病院事務長に関する研究—2.事務長の任免および人事交流
車田 松三郎
1
1東北大学・病院管理学
pp.109-113
発行日 1972年11月1日
Published Date 1972/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204843
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はじめに
病院の経営が困難さを増し,病院管理が複雑になってきている今日,特に病院事務長のあり方が問われるようになってきた.第18回日本病院学会(昭和43年)の専門部会において,‘病院事務長はいかにあるべきか’というテーマのもとに議論がなされた.
ひとつは人事とか財政の面について,事務長のあり方が問われたのであるが,自治体病院の場合を例にとると一般に地方出先機関として病院が設置され,したがって人事や財政に対して開設者に強力に干渉されるということである.たとえば,‘事務長の任免は行政部と一体的な人事によって行なわれ,一般行政部との交流が激しく病院事業の特殊性が無視され,行政優先の考え方から事務長職は1つのポストとして利用される傾向さえある’という尾口平吉氏の発言があった.また人事交流については,関谷友一郎氏によると,‘自治体病院の事務長の人事は,都道府県を越えて,病院間に交流すべきである’としている.
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