今日の視点 座談会
プライマリーケアを担う総合診療科を開設する
福井 次矢
1
,
福原 俊一
2
,
鈴木 民子
3
,
福井谷 祐一
4
Tsuguya FUKUI
1
,
Shunichi FUKUHARA
2
,
Tamiko SUZUKI
3
,
Yuichi FUKUIYA
4
1佐賀医科大学総合診療部
2国立東京第二病院総合診療科
3国立東京第二病院内科
4医療法人崎陽会日の出ケ丘病院
pp.197-204
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209505
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福井谷 日本の医療は細分化された領域のなかで,いわゆる専門医を土台に発展してきたという印象が拭えず,特に最近はその傾向がいっそう強まってきています.そういう状況のなかで,例えば人を診ないで疾病のみを診ているとか,二つ以上の領域にまたがる疾患を持つ患者さんの治療をどうすべきかなどの臨床上の重要な問題点が見逃されてきてしまっていると考えられます.この問題に対応し得る新しい考え方としてプライマリーケアという概念が登場してきました.現実に臨床の場で仕事をしていますと,プライマリーケア的思考の必要性を痛感しますが,私自身,その本質をまだ十分に理解しきれていない面が多々あります.
そこで,本日はいち早くプライマリーケアという概念を導入し,総合診療科として実際に臨床を実践していらっしゃる先生方においでいただき,その内容などについて多方面からお話をうかがいたいと思います.
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