医療従事者のための患者学
—"病気の理解"から見た—医療従事者と患者との関係①
木村 登紀子
1
Tokiko KIMURA
1
1聖路加看護大学心理学
pp.165-169
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
これまで2回にわたって("病気"を意識する・1および2),患者が病院の診察室の"背もたれのない回転椅子"に辿り着くまでには,いかに多くの困難や葛藤を克服しなければならないかについて述べてきた.患者は医師や看護婦その他の医療従事者に会う以前に,すでに心身ともに疲弊し,"患者心理の陥穽"に陥って,健康なときとは異なる患者独特の心理状態を呈していることがご理解いただけたと思う.
本号では,医師と初めて対面し,問診や検査を受け,検査結果を聞くといった外来のさまざまな場面で,患者が遭遇する心理的諸問題を考察してみよう.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.