医療従事者のための患者学
"患者心理"を理解する(その2)
木村 登紀子
1
Tokiko KIMURA
1
1聖路加看護大学心理学
pp.638-641
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209615
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前号と本号では,患者心理の特質を理解するために,現実の医療場面で遭遇する問題に即しながら,心理学的理論や知見がどのように位置づけられ,活用され得るかについて,①患者は現実をありのままに認識することが難しい,②患者は不安である,③患者は葛藤と欲求不満にさらされている,④患者(家族)は防衛機制によって自分を守らざるを得ない,という4つの側面から"医療の場"を覗き見る形で患者や家族のこころの動きを考察している.第1の「患者の現実把握の能力が低下する」ことについては前号に述べたので,本号では第2以降の問題について取り上げる.
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